2008年11月3日月曜日

SLy6時間耐久 ~決勝篇・後半~

(前編の続き)さて、予選を無事通過できた事で私は相当プレッシャーからは開放されていました。あとは決勝を集中して走るのみです。ツナギを脱ぐ間もなく決勝に向けてスケジュールは進行します。決勝レースでは1本30~35分の走行を各人2回こなし、ピットイン2回ごとに給油をします。(計4回の給油義務とピッタリフィット)
  ワイルドさん製タイスケ表。給油担当、食事時間も書かれた優れもの!
 そういえば、耐久レースってのは初めてです。(スプリントも梨本塾K-RUN GPしか走った事がありませんが、、。)私は第二ライダーなのでスタートのプレッシャーとも無縁か、と安心していたら、決勝スタートは擬似ルマン方式で、「バイクに跨って待つ第一ライダーにコース反対側から走ってきた“第二ライダー”がタッチして走行開始。」だから、スタートの旗に反応して最初に動かなければならないのは自分でした!!まぁ、スタートに対して特に苦手意識は無いので、特に問題は無いのですが、、、。で、走るのは自分の脚でとはいえ、コース内に居る事に変わりはないので、第二ライダーもツナギ・メットとフル装備が義務付けられます。ツナギを着て全力疾走(脚で)ってのをやった事がなかったので、スタート前の合間を見てワイルドピッチ監督に「ドン!」の合図をやってもらいつつダッシュの練習を二本。(これで、かなり疲れた、、、。) その後、3周のウォームアップラップを挟んでいよいよ6時間耐久レースのスタートです。
  スターティンググリッド。我々は後ろ~~の方。
 スタートライン前方でスタッフが日章旗を持って登場。その後、旗が上に挙げられて、、、下に降られて10:00スタート!(実は上げてから下がるまでに相当間(10秒くらい?)があり、息を殺して構えていた私は息が続かずゼェゼェいっていました、、、。)スタートの反応はまぁまぁ、脚もそんなに遅くは無かったみたいで前後のチームと似たタイミングでタッチ。すると、IZUさんは一人だけ皆と違う方向に走っているではないですか!(あれ!?強くタッチしすぎたか?)と一瞬ビビッたのですが、これはIZUさんの作戦で、皆がバイクの向きなりに左サイドに進んでダンゴになるのに対して、一瞬間をおいて、開いたコースの右側を真っ直ぐダッシュしたのでした。賢い!これで4台ほどポジションUp。  よーい、、、、(長かった…)
  どん!! で大急ぎでタッチ!
 さぁ、始まった!と思っていたら早速1人目の転倒者が現れ(ひょっとして、再スタート!?)と不安にもなりましたが、セイフティーカー導入、フルコースコーションでレースは継続。私はピットでセーフティーカー導入~グリーンフラッグまでの段取りをジックリと見学して覚えました。(もっとも、この後何度も何度も何度もセイフティーカーは入ったので別に稀少な機会ではなかったのですけど!)レースが再開されました。最初の15分ほどは、それこそスプリントレースと変わらない様相なのですが、先頭が最後尾に追いつくと、どこが先頭なのかサッパリ判らない混乱した状況になります。SLyはピット内にラップタイムモニタがあるのでそこに表示される順位だけが手掛かりです。
  IZUさん、一本目。
 IZUさんは結局42秒台までタイムを上げ、35分経過後、今度は第二ライダーの私が出発です。ピットでのライダー交代は割とスンナリ決まりました。しかしながら(確か)フルコースコーション中だったので隊列の最後尾につける形でゆっくりスタートです。(ここらへんの記憶が曖昧、、、さっさとレポート書かないから!!)で、スロースタートで私のセクションが開始。走り始めた私が最初にやったのはDトラ慣熟の再開でした。予選では49秒しか出てないので、まだまだ詰めるところが沢山残ってます。2~3周目には自分の予選記録を上回ってました。(そのくらい、私は走り始めにタイムが出ない!!)その後、48、47秒台とタイムは伸び、一通りの感触が得られた時点で46秒台に突入しました。DトラはDR-Zと比較すると疲れにくく走りやすく思えて、特に、S字後半ガバ開けが出来て、その後最終シフトダウン無しなのはとても楽でした。スロットルの開けるタイミングやクリップのポイント等は前日の見学を参考にして新たに修正です。
 にしても、ズバズバ抜かれまくりです。通常のフリー走行ではあり得ない位、殆ど全ての箇所でのパッシングを経験しました。参ったのは高速コーナー侵入でインから刺される事(3コーナーやS字)。特にS字入り口では逃げるところが無く、変な譲り方をすると後ろから追突されかねないので気を遣いました、、、。IZUさんから受け継いだ時点からいったい幾つポジションダウンしたのでしょうか?(ときに、コース上の私は気付かなかったのですが、私の時間中にST勢2台が転倒~ピットインしてたらいしいです。これには助けられた?)結局、譲った周は47~48秒。そうでない周は46秒といったペースで走行を継続。ベストは確認できた範囲では46秒フラット。
 20分を過ぎた辺りで少々疲れてきました。(まだ、ピットサイン出ないのかな?)と気になりだしたところで、残り10分のピットサインが発令。だからと言って無茶をして転ばないよう気をつけつつ、残りの自分の時間を走り切りピットインです。 (ふ~、ヤレヤレ!終わったワイ!)とピットレーンを進むのですが、最終コーナー内側辺りで速度規制(1速・20km/h)が掛かるのでその手前でおもむろに1速にシフトダウンし、クラッチをつないだら、いきなりリヤタイヤが大暴れ!左に尻を振ってしまいました。ビックリしつつも転ばずには済み、給油ポイントにて給油をしていると、スタッフの人から、「君はピットレーンのラインをまたぎましたね?」との指摘が。どうやら、尻を振ったときに、リヤタイヤが本コースにはみ出ていたみたいです、、、、。ペナルティ(ピットストップ10秒)を食らう事になりました。ややこしいのはペナルティを宣告されるために、“コース上で”黒旗を受ける必要があるようなのです。給油完了後、ピットレーンを徐行しつつ、(ごめんなさい!)のジェスチャーをして再びコースイン。すると、フルコースコーションの最中でした、、、。予想通り、フルコースコーション中は黒旗がでません。(ピットストップがロスにならないから。)あ~あ~と思いつつ、グリーンが出るのを待って、レース再開後、大急ぎで1周して、ストレートで黒旗を確認。ピットインしてピット出口で10秒待機。再びコースインして、すぐピットインと出たり入ったりを繰り返してやっと第三ライダーのワイルドピッチさんにバトンタッチです。あー疲れた。
  昼食のカレー。
 その後、コースアウトしかけたり、ガードレールにアタックしたり(ここらへんのエピソードはそのうちココで語られるでしょう)で疲労困憊のワイルドピッチさんがピットインして、ノートラブルのまま第4ライダー松千代さん、第5ライダーBroccobirdさんとレースは続きます。自分が走っていない時間帯でも、写真を撮ったりとか、給油したりだとか、サインボード作業等で割と忙しかったです(なにせ、うちのチームには監督、ヘルパー、カメラマン!不在でしたから、、、)。我々の順位は総合では大体15~20位あたりを、STクラスでは2位前後を行ったり来たりといった状況でした。
  ワイルドピッチさん、一本目。
  松千代さん、一本目。
  Broccobirdさん、一本目。これで一巡。
 全ライダーが一回ずつ走って、二巡目に入ります。この段階でSTクラスではトップだったみたいです(記憶あいまい)。唯一うちのチームだけノートラブルだったのが大きいようです。転倒者は絶える事無く続出してました。レースが中盤以降を迎えて2台仲良くレッカー(接触トラブル)ってのが気持ち増えてきました。中間時点でSTトップをその後も堅守できるほどのリードは取れていなかったのですが、「転ばない事」が実現できない事には話は始まりません。なので、絶対転ばない(+巻き込まれない)事を最重視して2巡目がスタートです。
  IZUさん、二本目。
 IZUさんの走行(ノートラブル)が終了して、自分の番が来ました。私の二本目は1本目にペナルティで総計45分程度も走ってしまったので10分カットの20分です。走行前にワイルドピッチさんにカメラ(借りた人は何故かデジタル一眼を数週間のうちに衝動買いしてしまう魔性のD90)を貸して自分の走行を撮ってもらうようお願いしました。自分だけ写真が無いのはイヤだったので!コースに出て最初に思った事はそこらじゅうに転倒の跡(引っかき傷や石灰)が見られたことです。ラインを大きく外すと滑る危険があります、、、。二本目は無難に纏めました。抜かれる際の接触を絶対にしないように、で、それ以外の部分は目一杯飛ばすようにと割と難しいです。何とかノートラブルでワイルドピッチさんにバトンタッチ。私の出番は終了です!あー、疲れた、、、。
  S字を立ち上がる私。(撮影ワイルドさん)  最終コーナー旋回中。刺している訳ではありません。アウトから被せられています、、、。
  「どうすんの!この状況!?」といった感じ。
  ワイルドピッチさん、二本目。
  松千代さん、二本目。
  Broccobirdさん、二本目。緊張の最終ライダーです!
 その後も我々は無転倒でレース継続。一方、ST勢ライバルは幸か不幸か故障や転倒に悩まされたみたいで、最終ライダーのBroccobirdさんが走り始めた時点でも我々はSTトップを維持できていました!!これまで何度と無く頭によぎったクラス優勝の可能性が段々現実に近づいてきました!!!ピットでの作業等ももう無いので私はDトラ最後の走行となるBroccobirdさんの写真を念入りに撮ってました。残り15分。ココに来て最後のフルコースコーション。(これで、決まりか!?)と私は写真撮影を終わらせてピットに戻りました。残り時間から考えて、転倒さえしなければ絶対逃げ切れるリードです。コース上で必死に走っているBriccobirdさんを除いて残りのライダーは皆ピットで半ばニヤけて時間が過ぎるのを待っていました。そして16:00チェッカー!無事STクラス優勝です。気がかりだったダブルチェッカーも無く、完走できました!
  16時の時点で、チェッカー!!
  ちゃんと戻ってきてます!これでクラス優勝確定!!
 ときに我らが万福丸(Dトラ)ですが、ピットから眺めていた我々は気付かなかったのですが、最後Broccobirdさん走行枠あたりから調子がおかしくなり掛けていたみたいで(エンジン?電装?)、チェッカー~ピットに無事戻ってきたらエンスト!その後エンジンが掛からなくなってしまったのでした。なんとも胸を打つ印象的なエピソード!ですが、次のオーナーへの譲渡の話も着いている状態でBriccobirdさんは少々弱り顔。ちゃんと直ったのでしょうか?
  STクラス表彰台の風景。あれ!?一人足りませんよ??
  表彰台の頂点からの眺め。フフフ。
  6時間闘い抜いた万福丸(とシャンパンの空き瓶)
  シャンパンファイトの巻き添えを食って、シャンパン ビトビト。この後、皆で拭き掃除をしたのでした。

<リザルト>
ゼッケン26・ワイルドイエロー万福丸 周回数385周(+HC30周) 参加台数26台中、総合8位(16位w/o HC) STクラス優勝(w/o HC)

 総じて、初の耐久レースを非常に有意義に結果も残せて楽しめる事ができたので良かったです。勝因は?と考えると「ノートラブル」が筆頭だと思うのですが、チーム内の連携がきっちり取れていたことも大きいかもしれません。酷いチームだと、バイクがピット(給油所)に戻ってきたのに誰もいない!っていうチームも有りましたからね。ヘルプ無しでよく頑張ったと思います。うちのチームはピットレーン速度制限も遵守してたし、胸を張って「STクラス優勝」を誇れると思います!

 最後に、このレースに招待して頂き、幹事運営等に多大なる活躍を頂けたBroccobirdさんに深く感謝申し上げます。その他、IZUさん、松千代さん、ワイルドピッチさんと一緒に走れた事にも感謝しています。

                              あぁ、やっと書き終わった!

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

大長編お疲れ様でした!

準備・前編・後編共に読み応えがあり、非常に面白かったです。

>ダブルチェッカーも無く、


あの魔性のD90をワイルドさんに貸してしまいましたか!!
なかなか更新されないのは、きっとカメラをいじくってるからでしょう(^^

Unknown さんのコメント...

novさん、
お疲れ様です。ありがとうございました。
ルールによると、ダブルチェッカーは反省文でなく、即失格!なのでとっても心配でした。
カメラの効き目はもう少し待ってみる事にしましょうか。

匿名 さんのコメント...

素晴らしいレポ、とても読み応えありました。 他のセクションに比べて5コーナーの左がとても苦手そうに走っていたので、トミン癖なのかなと思っていましたが、練習で2回も同じところでコケていたんですね。
しかし、前日の練習等、チームの中ではたぶん一番一生懸命今回のレースに取り組んでいた姿勢に本当に頭が下がります。 また機会があればトミンでもご一緒できたら嬉しいです。 

匿名 さんのコメント...

読み応え十分のレポ、お疲れ様でした。
そして、初耐久レース、優勝おめでとうございます!

おそるべしD90・・・

匿名 さんのコメント...

擬似ルマン方式>>
バイクまで自足で走る・・・

自分はこれを思い出し 

10回は死ねます。。

糞WPめ!!w

Unknown さんのコメント...

松千代さん、
左5コーナーは大の苦手です。先日も夢の中でコケました。自分が体験したあらゆるコーナーの中で一番嫌いです。もっとも、巧く走ればそんなに簡単には転ばないのでしょうが、耐久決勝中にそれを試す甲斐性は無かったです。ひたすら、そーっと走ってました。
ちなみに、トミンの左は決して苦手ではないです。だから余計納得がいかないのですが、、、。

Unknown さんのコメント...

ハマさん、
ありがとうございます。
貴重な経験が出来ました。
ときに、カメラは何を買うのですか(笑)??

Unknown さんのコメント...

愚者さん、
過去の○耐の記事読みました、、、。
今回の六耐で最も若いライダーはWPさんなのに気付けば私が走っていたのは何かの策略?

でも、バイクでも、脚でもコケ無くて良かったです。